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平衡と不平衡
音声信号の伝送には、平衡送りと不平衡送りの2種類があります。
それぞれの特徴について見てみましょう。
不平衡送り
カラオケボックス等で、マイクをアンプに接続した場合、下図のようになります。
これが不平衡送りであり、+線とシールドで信号を送ります。
従って、ノイズの大部分はシールドに誘導しアースに逃がされますが、
+線に直接誘導したノイズ、及び、シールドから再度+線に誘導したノイズは、
正規の信号と同じですので、増幅されてしまいます。
この方式はノイズを拾いやすいので、マイクコードの長さが20m程度までと、
短くて済む場合にのみ使用できます。
なお、カセット CD のように、ピンコードを使用した接続も不平衡ですし、
テレビのように同軸ケーブルを使用した接続も不平衡です。
不平衡送りは信号伝送の基本です。
平衡送り
ホールや体育館のように、マイクコードを100mも伸ばす必要のある場所では、
平衡接続が採用されます。
この方式では、−線も有り、+線と−線はアースに対して同じ状態です。
つまり平衡しているという訳です。
従って、+線に誘導したノイズと、−線に誘導したノイズは、
アンプ内部で打ち消し合い、ノイズは消滅します。
(こういう形のノイズを、同相ノイズ又はコモンモードノイズといいます)
つまり、平衡送りにするということは、ノイズ対策のひとつです。
その他のノイズ対策
1 2芯シールドケーブルではなく、4芯シールドケーブルを使用する。
2 電線はできる限り撚る。電源コードももちろん撚る。
3 ケーブルは鉄製の管に入れ、その配管は強電アースをとる。
4 ケーブルは、スピーカ 電源 デジタルケーブルから出来るだけ離す。
5 スピーカケーブルも、電源ケーブルから出来るだけ離す。
6 交差する場合は、直交させる。
7 分電盤は音響専用を設け、出来るだけミキサーの近くに設置する。
8 アースは音響専用を設け、1点でアースする。
9 接地抵抗は出来るだけ下げ、アース線は出来るだけ太くする。
10 弱電アースと強電アースが、接触しないようにする。
11 照明や動力のケーブルは、VVFではなくVVR又はCVVを使用する。
12 AC200Vで配線し、絶縁トランスで100V変換する。(電源の平衡)