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          PAの とのぐち 

 

 

 

コンサート等で、アンプやミキサーをチョシている人がいますけど

そういう仕事を「PA」といいます。

また、このように、アンプやミキサーをチョシている人のことも

「PA」といいます。

 

 

「PA」を、専門の仕事としてはいなくても、

「PA」をチョシている人はたくさんいます。

ホテルの宴会場担当 学校の先生 役場の職員 等々です。

 

 

本資料は、

そういう人たちの役に立てばいいな、と思って作りました。

(立つかな?ネマッてばっかりだったりして)

 

 

ところで「PA」って、何の略

POWER AMP ?

PUBRIC ADDRESS ?

それとも ?

 

 

SR(Sound Reinforcement)とう言葉もあります。

こっちの方が専門職のにおいがして、好まれるみたいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

機器編

 

 

ワイヤレスマイクは危険

ワイヤレスマイクの性能が悪いという訳ではありません。

ワイヤレスという性質上、しかたのないことなのです。

なぜなら、

 

1 日本全国で30チャンネル

ワイヤレスマイクに割り当てられているチャンネルは30だけです。

これを、日本全国でなかよく使用しています。

従って、仲が良すぎると、ご近所から電波が飛び込んで来ます。

隣の飲み屋さんからも、向かいのパチンコ屋さんからも。

テレビやラジオの取材も、選挙カーも、みんな仲良しです。

 

2 高性能なので低性能?

微弱な電波を使っていますので、高感度に設計されています。

ですから、微弱なノイズだって、しっかり受信します。

たとえば、違法無線を積んだ車が通ったら?

違法でなくたって、近くで無線機を使われたら?

試しに、携帯を使ってみて下さい。

どうです すごいでしょ?

 

それとも、コストは3倍だけなので、放送局さんと同じものを使いますか。

無線免許は必要ですし、使用する度に申請が必要ですけれど、安心ですよ。

 

 

電池に注意

ワイヤレスマイクや、コンデンサマイクは、乾電池を使います。

乾電池は、使う前に容量を確認しましょう。

今封を切ったばかりだから大丈夫、とは言えません。

今までズーーーーーット、眠っていたのかも知れませんから。(経験者談)

 

 

頭出し用カセットデッキ

頭出し用カセットデッキは、設備されているとは限りません。

それと、ヘッドホンもです。

カセットを使うなら、準備しましょう。

 

 

マイクロホンの種類

通常使われるマイクは、ダイナミックマイクとコンデンサマイクの2種類です。

ダイナミックマイクは、丈夫で大きな音にも耐えますので、

口のすぐそばで使う、ボーカル用に適しています。

一方、コンデンサマイクは、繊細で、小さな音も良く拾ってくれますので、

音源から離れた位置で使う、収音用に適しています。

 

 

コンデンサマイクは電源が必要ですが、乾電池を使うもの、ファンタム電電を

使うもの、その両方が可能なものがあります。

(ファンタム電源=マイクコードを通して送る電源)

 

 

マイクコード

キャノンコネクタのマイクコードは3種類あります。

1 混合方式     メス−オス 2番ホット  世界標準

2 アメリカ方式   メス−オス 3番ホット  録音スタジオに多い

3 ヨーロッパ方式  メス−メス 2番ホット  放送局に多い

普通使われるのは、混合方式のものです。

混合方式とアメリカ方式は、芯線の色の使い方が違うだけで互換性があります。

ヨーロッパ方式は、混合方式のコードが延長コードとして必要になります。

 

 

カッド(クワッド)撚り

マイクコードを剥いてみると、青線2本白線2本入っています。

+−2本あれば済むのになぜと思われるかも知れませんが、ノイズ対策です。

ペア撚りに比べずっとノイズに強くなります。

青2本を一緒にし、白2本を一緒にし、ペア撚りとして使います。

スピーカケーブルも高級なものはカッド撚りになっています。

 

 

平衡と不平衡

平衡とは、+−Sの3本の線で信号を送る方式であり、マイクコードがそれです。

不平衡とは、+Sの2本の線で信号を送る方式であり、ピンコードがそれです。

なお、+−SのSはシールドであり、静電的にケーブルを遮蔽します。

平衡の場合は100mも長くできますが、不平衡の場合は20m程度です。

学校の体育館等では、不平衡のマイクコンセントが多く、ノイズ源となっています。

また時として、平衡コネクタを不平衡コネクタに接続する場合もあります。

そこで、うっかり接続すると、音が出ないこともあります。

 

 

グラヒックイコライザ

スピーカの暴れを調整し、周波数特性を平坦化すために使われます。

しかし、調整し過ぎると、すなおな音でなくなってしまいますので、

ピークを押さえる程度にします。

よって、ハウリング防止機と呼んだ方が、正確かも知れません。

 

 

4ピンスピーカコネクタ

最近は、接続方法が明記されているスピコンが多くなりつつありますが、

接続方法の規定が無い4ピンキャノンもよく使われています。

よって、ケーブルメーカーであるカナレの接続方法に統一すべきと思います。

4番ピン 赤 1chホット    3番ピン 赤澄 2chホット

2番ピン 白 1chコールド   1番ピン 白澄 2chコールド

なお通常は、1chと2chをパラレルにし1チャンネルで使用します。

 

 

3ピンスピーカコネクタ

   BOSE802Uスピーカは、3ピンキャノンを使っています。

   これは、いざという時にマイクコードを代用できるようにするためです。

   この場合、3番ピンおよび2番ピンがホット、1番ピンがコールドです。

   万が一、間違ってマイクを接続しても大丈夫なようになっています。

 

 

スピーカコード

スピーカコードも、マイクコードと同じくカッド撚りになっています。

これも、ノイズ対策です。

ただし、ノイズを拾わないというより、ノイズを出さないために。

 

 

スピーカコードの2ch送り

   4芯のスピーカコードは、2ch送りが可能です。

   しかし、前記「4ピンスピーカコネクタ」欄で書いた通りに接続すると、

   チャンネル間で誘導が発生します。

   なぜなら、2芯ケーブルが2本平行な状態になるからです。

 

   そこで、赤と赤澄を1ch、白と白澄を2chとしますが、

   コネクタを分けるか2ch用コネクタを使わないと、

   間違って1chコードを接続した時にショートしますので、アンプを壊します。

 

   この方法による2ch送りは、マイクケーブルでも行えます。

   1回路マイクコンセントにマイク2本を接続したいという場合、

   変換コードを作れば対応できます。

 

 

電源コード

カッド撚りにすればノイズを出さないのなら、電源コードだってそうすべきだ、

とお気付きの皆様。大正解です。

ですが、カッド撚りは、コネクタに接続するのが大変です。

せめて、ペア撚り(VCTビニールキャプタイヤケーブル)を使いましょう。

 

 

ダンピングファクタ

100Vの電源が、95Vしかなかったとしたら、絶対クレームものでしょう。

でも、普通のスピーカでしたら、90Vまでも許しています。

ダンピングファクタ10です。(負荷抵抗/出力抵抗+線路抵抗)

しかし、何しろスピーカの負荷インピーダンスは8Ωと小さい。

しかも、線路抵抗は往復で効いてくる。

という訳で、1.2mmの電線では20mしか引けません。

まして、スピーカがパラ設で4Ωだったら。・・・・・

やけに太い電線が使われている理由、お分かりでしょうか。

 

 

 

セッティング編

 

 

電源を取る

必要な電源容量を計算するのは、実はとても大変なことなのです。

必要な最大音圧db-splとピークマージンdbとスピーカの能率db/1w/1mから

スピーカの入力w(パワーアンプの出力)を算出し、

それをアンプの能率で割ったものに、周辺機器の容量を足して、

やっと必要な電源容量Aが求められます。

 

こんな計算はいちいちやっていられません。

そこで、簡易計算式です。

パワーアンプの定格出力の2倍です。

2倍にするのは、アンプの能率が60%位だからです。

 

普通パワーアンプの定格出力は2つ書かれています。

8Ω出力の場合と4Ω出力の場合です。

片方のチャンネルにスピーカを1台しかつながない時は8Ωです。

もし、2台つないだ時は半分の4Ωです。

 

さて、計算したら、24A必要と判りました。(と仮定します)

この電源をどうやって取ればよいでしょうか。

コンセント1個の容量は15Aだから2個必要だ、

なら、近くのコンセントからとれば良い、とは普通はなりません。

なぜなら、ブレーカーが同じである可能性が高いからです。

よって、ブレーカーの異なる遠くにあるコンセントから引かなければなりません。

そして、そのブレーカーもひとつは奇数番ひとつは偶数番がベターです。

その理由は、200Vを2つに分けて100Vにしているので、

左右のバランスを取るためです。

 

ところで、

そのブレーカは空いているでしょうね。

自動販売機等に、使ってはいないでしょうね。

 

ところでその2。

せっかく苦労して引いた電源ドラムに、

出店の饅頭蒸し器等が、つなげられていないでしょうね。

 

ところでその3.

断られた饅頭屋さん、

ブレーカーが同じコンセントに、さしていないでしょうね。

 

ところでその4

フルパワーを出した時でも、100Vありますよね。

電源ドラムを何本も足したりしたら、電圧も下がりますよ。

 

 

 

マイクコードの処理

マイクを立てた時、余ったマイクコードは、マイク側に束ねておきます。

そうした方が、立ち位置が変わった時に、対応が簡単です。

但し、アンプの位置が不確定の場合は、アンプ側にも余裕を持たせておかないと、

悲惨なことになりかねません。

 

 

マイクには用途を明示

マイクスタンドには、メインとか司会とか、名前を書いた札をつけておきます。

アトラクションなどがあって、舞台をドンデンした時に、元の位置に

戻せるように。

マイクの数が増えるにつれて、重要になってきます。

マイクコードの色を変える、風防の色を変えるという手もあります。

 

色順  茶赤橙黄緑青紫灰白黒  これは抵抗のカラーコードです。

 

 

ドンデン対策

   ドンデンの度に、マイクを出したり引っ込めたりしなければなりません。

   つまり、マイクを引っ込める場合、どこに引っ込めるかを考えてマイクコードを

   はわせないと、こんがらがってしまいます。

 

 

マイクコードの束ね方

マイク側の端を左手に持ち、右手で1m程離れた所を左手に重ねていきます。

そのとき、偶数回目は、右手を時計回りに180度回転させます。

このようにすると、コードに撚りがかかりません。

最後に、ミキサー側の端(オス側)に付けておいた紐で縛ります。

もし、紐が付いていなかったら、コード自身のミキサー側で縛ります。

間違っても、マイク側で縛ってはいけません。

その理由は、  言うまでもありませんね。

 

 

風雑音を防ぐ

風が強いと、風雑音が入ります。

また、マイクにかぶりついて話す人は、吹き雑音が入ります。

これを防ぐには、風防しかありません。

スポンジ製のものが、市販されていますが、

ハンカチをかぶせて、輪ゴムで止めても代用できます。

選挙カーでよく見かける、アレです。

 

 

ハウリングレベルの確認

ハウリングは必ず起こります。

どこまでボリュームを上げるとハウリングを起こすかを、全マイクのボリュームを

上げて、確認しておきます。

 

 

反響をおさえる

体育館等では、後ろの壁でハネ返った音が、時間差攻撃を掛けてきます。

人間の耳は、距離で17m、時間で50msの差を、聞き分けます。

体育館往復となると、60m 176ms です。

これでは、話もできません。

 

そこで、スピーカを少し内向きに、斜めにセットします。

そうすると、音は後ろ壁 横壁 と2回反射して帰ってきます。

つまりその分、小さな音になっています。

 

   設備音響の場合は、会場の2/3後ろに向けて音を出します。

   そうすると、床(人で吸収) 後ろ壁 天井 と、3回反射して帰ってきます。

 

 

ハネ返りスピーカを設ける

テレビを見ていると、歌手や話者のすぐ前にスピーカが置いてあります。

これをハネ返りスピーカと言い、上記の反響を打ち消すことも、目的のひとつです。

これがあると、とても歌いやすく話しやすくなります。

 

 

音と風

音は風下には良く飛んでいきますが、風上にはあまり飛んで行きません。

これは、風に押し戻されるのではなく、音が天に向かって曲がって行くためです。

従って、スピーカを高い位置に設けるなどの、工夫が必要です。

 

 

熱対策

電気機器は熱に弱いものです。

従って、直射日光にさらされたら、ひとたまりもありません。

日陰を作ってあげましょう。

 

 

雨対策

言うまでもありませんね。

機器だけで無く、あなた自身への対策も必要です。

 

 

予備機

   カセット MD CD は、メカ部分が有りますので比較的故障し易い機器です。

   また、ミキサーは1台しか使用しませんので、

故障すると一切音が出せなくなってしまいます。

   これらの機器は、予備機を用意するべきです。

 

 

 

 

 

 

操作編

 

 

電源の入り切り

マイク側から順に入れ、スピーカ側から順に切る。

これは、スピーカ保護のための、鉄則です。

当然ですが、ボリュームは全て絞ってから行います。

 

 

雑音用アンテナ

わざわざ雑音を拾うために、アンテナを立てる人はいないでしょうが、

知らず知らずのうちに、立てている人はたくさんいます。

つまり、マイクを接続していないのに、ボリュームを上げている人です。

そのマイク入力の先には、何メートルのマイクケーブルが付いていますか?

それって、雑音用アンテナですよ。

 

 

トリムの調整

   音声信号は、トリム → 入力フェーダー → 出力フェーダーと、

3つのボリュームでレベルを調整されてアンプに出力されます。

   トリムは、入力フェーダーの位置が同じになるよう、

入力ch間のバランスをとるためのものです。

ただし、トリムの無いミキサーはたくさん有ります。

 

入力フェーダー出力フェーダー共7の位置の時に、

メーターの指示がー3dBとなるように調節すると使いやすいようです。

 

 

アンプのボリューム調整

   パワーアンプのボリュームを最大にして使うと、

ミキサーでの音量調整が難しくなります。

   パワーアンプのボリュームは、

   ミキサーの出力が−3dBの時に必要な音量になるように調節します。

 

 

常に音量調整

カセットとCD MDでは定格レベルが違います。

また、録音レベルも違いますし、BGMかFGMかで必要な音量も違います。

声の大きな人も小さな人もいます。

適正な音量にするためには、常に音量調整が必要です。

 

 

ミキサーから離れない

何時どのような要望が出るか判りません。

ミキサーマンは、席を離れてはいけません。

 

 

 

トラブル編

 

 

ガリ

ボリュームツマミを動かした時に出る、ガリガリという音です。

磨り減った場合に起こりますが、永く使われなかった場合にも起こります。

その場合は、使えば直ります。

ようするに、音が出なくなるまで、動かして下さい。

 

 

ハウリング

マイクで拾った音が、アンプされスピーカから出る。

その音が、またマイクで拾われ、アンプされスピーカから出る。

その音がまた・・・・・・

こうしてハウリングが起こります。

ハウリングが起こるのは当たり前であり、テクニックで防ぐしかありません。

それは、次の2点です。

マイクをスピーカに近付けない。(スピーカをマイクから遠ざける)

むやみに、ボリュームをあげない。(ハウったら、ボリュームを絞る)

 

 

発振

発振機でもないくせに、音響設備はよく発振します。

それは例えば、下記のようなループを作ってしまうからです。

ようするに、ハウリングと同じことが起こるからです。

MDの入力端子――――→MDの入力ボリューム――――→MDの出力端子

↑                                ↓

ミキサーの出力端子←―ミキサーの入力ボリューム←―ミキサーの入力端子

これを防ぐのは簡単です。

再生する時は、MDの入力ボリュームを絞る。

録音する時は、ミキサーの入力ボリュームを絞る。

 

 

暗発振

音は出ていないのに、メーターは振れている、ということがあるそうです。

スピーカケーブルからマイクケーブルに誘導して起こるハウリングです。

主に浮遊容量を通しての誘導ですので周波数が高く、人間の耳には聞こえません。

これを防ぐのも簡単ですが、説明不要ですね。

 

 

クリップノイズ

デジタル録音の場合、録音できる最大の音圧は決まっています。

もし、万一、それより大きな音が入ってきたらどうなるでしょう。

そうです、録音できる最大音圧でしか録音されません。

ようするに、頭が切られてしまいます。

こういうソフトを再生すると、時々 ジジ ババ というノイズが入ります。

ようするに、MDに録音する時は、控えめなレベルでということです。

 

 

ヒスノイズ

磁気テープにアナログ録音した時に出るノイズです。

録音していなくても出ます。(生のカセットテープを再生してみて下さい)

磁石の粒子の、大きさや方向やもろもろのばらつきが原因です

これを防ぐ方法はありません。

 

が、これを低減する方法は、あります。

dbB,C,X,のイズリダクションを掛けて録音し、同じ方式で再生します。

ただし、録音と同じ方式で再生しないと、音が歪みます。

また、全てのカセットデッキが、ドルビー機能を持っている訳ではありません。

 

 

ハム

おいしそうな名前ですが、まずくて食べられたものではありません。

電源周波数の50Hz及びその2倍の100Hzの雑音です。

電源ケーブルとマイクケーブルを一緒に這わせているか、機器の電源回路の故障か、

どちらかの可能性が高いと思います。

 

 

調光ノイズ

調光装置から出ているノイズです。

50%調光の時にノイズが最大になりますので、すぐ判ります。

電灯ケーブルからマイクケーブルへの誘導が殆んどですが、

調光電源と音響電源が同じ、ということも原因となります。

 

 

インバータノイズ

   インバータエアコン インバータ蛍光灯 等、インバータが多数使われていますが、

   インバータからは電源ケーブルを通して、ノイズが巻き散らかされています。

   このノイズへの対策は、発生源側にノイズフィルターを入れるしかありませんが、

   あまり効き目はないようです。

 

 

ホワイトノイズ

電気が流れることにより、発生するノイズです。

何も音を出していないのに、スピーカから出ている雑音、あれです。

これには、尻尾を巻きましょう。

 

   ただし、このノイズには、温度に比例して発生したものと、機器の性能により

   発生したものとが、合わさったものです。

   つまり、性能のよい機械は、音が小さいということです。