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ホタル豆知識

 

 

 

主に熱帯から温帯の多雨地域に分布し、2794種のホタルがいます。

そのうち日本に棲息しているのは、54種です。

ただし、新種が発見されていますので、今後増えていくことは確実です。

 

ホタルは光るものと思いがちですが、そうではありません。

幼虫の時は全て(?)の種が光りますが、成虫になるとほとんどが光らなくなります。

中には、メスだけ光る種もいます。

日本で成虫が光るホタルは10種くらいであり、

ゲンジボタル ヘイケボタル の2種は有名です。

 

ホタルは陸棲の昆虫であり、水棲のホタルは世界中でも9種しか確認されていません。

そのうち、ゲンジボタル ヘイケボタル クメジマボタル(ゲンジボタルの祖先) 

の3種が日本に棲息しています。

 

ホタルと言えば、ゲンジボタルが日本(沖縄県と北海道は除きます)では代表です。

ゲンジボタルは、成虫はもちろん蛹の時も幼虫の時も卵の時(中の幼虫が)でさえ光り、

しかも水棲ですので、非常に珍しい種なのです。

日本にだけ棲息していますので、英名は「Japanese Firefly」です。

 

ヘイケボタルもゲンジボタルと良く似ているため「Japanese Firefly」と呼ばれますが、

日本(沖縄を除く)だけで無く北東アジアにも生息しています。

 

今年(平成24年)6月15日夜9時、赤平〜最上町間の道路で157匹見つけましたが、

飛んでいる蛍は1匹もいず、地面か水の中にいました。

よって、幼虫がほとんどだったと思われます。ヘイケボタル。

 

6月18日夜8時には、衣川の蔵小路周辺で10匹程飛んでいました。ゲンジボタル。

 

6月24日には、赤平〜最上町間の道路で地面と水中に88匹。ヘイケボタル。

赤平の加藤さん宅の裏の木に10匹程止まっていました。ゲンジボタル。

衣川の下タ町周辺で10匹程飛んでいました。ゲンジボタル。

 

 

成虫について

種類

源氏蛍

(小川のホタル)

平家蛍

(田んぼのホタル)

性別

オス

メス

オス

メス

割合

8割

2割

 

 

体長

1015ミリ

1520ミリ

8ミリ程度

10ミリ程度

体形

細長い感じ

赤い背中に十字(菱型)の模様

やや丸みがある感じ

赤い背中に縦一文字の模様

発光器

2個

1個

2個

1個

行動

樹木に潜み

8時頃メスを

求めて飛び回る

草陰に潜み

11時頃産卵の

ため川上に飛ぶ

草陰に潜み、

8時頃メスを求

めて飛び回るが

草陰にとどまる

ものも多い

ゲンジボタルの

メスと同じ?

 

飛び方

上下に波打つ

ように飛ぶ

水面近くを

まっすぐに飛ぶ

上下左右に

せわしく飛ぶ

 

発光

 

強い

気温20度の時

東日本では

2秒明2秒暗

西日本では

1秒明1秒暗

中間型は

1.5秒明1.5秒暗

気温が高いと

周期が短くなる

 

発光パターンは

パーーッ

 

弱い

オスが近づくと

強く光る

 

周期と

パターンは

オスと同じ?

 

弱い

北海道では

1秒明1秒暗

本州以南では

0.5秒明0.5秒暗

気温が高いと

周期が短くなる

 

発光パターンは

決まっていない

パッ

パパッ

パパパッ

パパパパッ

強い

オスがいないと

1秒明1秒暗

オスが近づくと

明のみ

 

成虫期間

1〜2週間

1〜2週間

発生時期

6月下旬〜7月上旬

7月中旬〜8月上旬

出現時間

東日本 19時45分

西日本 20時30分

 

出現条件

暖かく 湿度が有り 風が無い

暖かく 湿度が有り 風が無い

 

 

 

 

生態について

種類

源氏蛍

平家蛍

分布

九州 四国 本州

日本固有種

九州 四国 本州 北海道 

韓国 中国東北部 千島 シベリア

生息地

比較的きれいな流水域 渓流 小川

少し汚れた止水域 湿原 田んぼ

食物

カワニナのみ

成虫は夜露のみ

モノアライガイ タニシ カワニナ

成虫は夜露のみ

直径0.5ミリ 丸い

半透明であるが、透明になる。

1ケ月程で孵化する。

卵の中の幼虫はわずかに発光する。

直径0.6ミリ 楕円形

半透明であるが、透明になる。

20日程で孵化する。

卵の中の幼虫はわずかに発光する。

幼虫

孵化時の体長は1.5ミリ程度。

すぐに水中に入り、

4〜6回の脱皮を繰り返し、

翌年5月頃には3センチ程になる。

通常は1年で成虫になるが、

栄養状態によっては、

2〜3年かかるときもある。

つまり、飢えには強い。

幼虫は発光する。

孵化時の体長は1.5ミリ程度。

すぐに水中に入り、

4回の脱皮を繰り返し、

翌年4月頃には2.5センチ程になる。

1年で成虫になる。

空気呼吸もできるので、

田んぼが乾いても生き延びるが、

休耕田には発生しない。

幼虫は発光する。

さなぎ

4〜5月、雨の夜に上陸し、

土にもぐって蛹室を作り、

その中で蛹になる。

ただし、1〜2ケ月は幼虫のまま。

蛹の状態は2週間程。

蛹は、かなり明るく発光する。

5〜7月、雨の夜に上陸し、

土にもぐって蛹室を作り、

その中で蛹になる。

ただし、1ケ月は幼虫のまま。

蛹の状態は2週間程。

蛹は、かなり明るく発光する。

成虫

6/中旬〜7/中旬

羽化し成虫となっても、

3日〜1週間程は地中で過ごす。

オスが1〜2週間先に羽化し、

100m程移動する。

密度が高く、乱舞する。

餌は食べず、夜露を飲むだけ。

6月〜8月

羽化し成虫となっても、

3日〜1週間程は地中で過ごす。

オスが1〜2週間先に羽化し、

100m程移動する。

密度は低いが長期にわたる。

餌は食べず、夜露を飲むだけ。

産卵

6月末〜7月初旬

5001,000個くらい

水際のコケや草の根元に産卵

6月末〜8月初旬

50100個くらい

水際のコケや草の根元に産卵

成虫でいられる期間は2週間であるが、

自然界では5日とも言われている。

 

種の保存問題について

種類

源氏蛍

平家蛍

光害

街灯 ヘッドライト 懐中電灯は、

ホタルにとっては光害である。

上陸 出会い 産卵の妨げになる。

 

車では近づかない、懐中電灯には

赤いセロハンをかぶせるなどの

配慮が必要。

左に同じ。

特に、車のウインカーは、

ヘイケホタルの点滅に似ており、

影響が大きいと言われている。

 

左に同じ。

減反

田んぼには住まないので、

影響は無いと思われる。

ヘイケホタルは田んぼに住む。

たとえ、秋冬の間、水を落とされても

休眠しながら生き延びる。

しかし、全く水の無い休耕田では、

産卵さえ行われない。

農薬

農薬によりホタルも死ぬが、エサのカワニナやタニシも死ぬ。

特に、田んぼに住むヘイケボタルには影響が大きく、激減している。

護岸工事

護岸工事やU字溝工事により、水生植物が生育できなくなり、

それを餌とするカワニナやタニシが少なくなる。

また、隠れる場所が無いので、増水によりホタルの幼虫は流されてしまう。

 

ホタルの幼虫は、コンクリート壁を登るので、上陸の妨げにはならない。

しかし、上陸した所に柔らかい土が必要であり、

それが無いと、蛹にはなれず、蟻のエサとなる。

イベント

行事の1プログラムとして、購入した成虫のホタルを放すことがある。

ゲンジボタルもヘイケボタルも、同じ種でも遺伝子が異なるものがある。

よって、地元種が駆逐されたり、遺伝子汚染を引き起こす。

 

東京都内21箇所の内、影響をまぬがれているのは6箇所のみ

という2001年のゲンジボタルの調査結果もある。

ゲンジホタルは、6グループ28タイプ

ヘイケボタルは、11タイプ

自然復活

自然復活を目的に、ホタルの成育環境を整えるのは良い事であるが、

そのために、ホタルや幼虫や卵を購入して放流する場合がある。

結果として、地元種が駆逐されたり、遺伝子汚染を引き起こす。

 

ホタルは数百mしか移動できないので、移植も必要かも知れないが、

必ず、地元のホタルを使用しなければならない。