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仏教用語集
天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)
釈迦が生まれてすぐに話したとされる、超有名な言葉です。
「我々ひとりひとりが尊い」、と解釈することが多いようですが、
「私ひとりだけが尊い」、が正しいようです。
なぜなら、・・・・ 下記リンク先を参照下さい。
唯我独尊(ウィキペディア) パティパダー巻頭法話 東京寺男日記
大乗悲仏説
釈迦の教えは、自力(自力本願とは言わない)による救済であり、
大乗仏教は、仏の本願(他力本願)による救済です。
よって、大乗仏教は釈迦の教えではないから、仏教ではないという説です。
ただし、大乗仏教の始祖である龍樹は、大乗仏教は仏教であると反論しています。
つまり、
小乗は、「自利→利他→解脱」であり、
大乗は、「利他→自利→解脱」であるので、順序が違うだけである。
さらに、最初に「利他」を望むことは、釈迦の最も望むものである。
という理由です。
十万億土
「娑婆」と「極楽浄土」の間の、距離です。
転じて、「極楽浄土」を、このようにも言います。
その距離は、318*10の49乗*1000*1000*1000*10万億(万km)です。
130億光年が1.23*10の19乗(万km)ですので、想像できる範囲を超えています。
もし、小世界の範囲が、風輪ではなく金輪だとしても、
840*1000*1000*1000*10万億=840*10の21乗(万km)です。
これでも、130億光年の68,300倍もあります。
ただし、世界がぴったりくっついているとした場合です。
国と国とが離れている場合は、・・・・ 判りません。
極楽浄土
極楽浄土は、十万億土西方にある、阿弥陀如来の経営する仏国土です。
その様子は阿弥陀経の中に記されており、苦の無い世界です。
また、このような浄土は六方(東西南北上下)に満ちており、
ガンジス川の砂の粒より多いと書かれています。
南無阿弥陀仏と唱える人が、生まれ変わる世界です。
地獄
我々の住む世界のすぐ下に有ります。
経によりその様子は異なりますが、普通には倶舎論の八熱地獄を言います。
六道の最下層の世界であり、苦しみだけの世界です。
南無阿弥陀仏と唱えない人の内、悪行の限りを尽くした人が生まれ変わる世界です。
三界
天上界の、3つの世界のこと。
無色界 欲からも物質からも離れ、精神のみを有する世界。
色界 欲からは離れたが、物質的なものにとらわれている世界。
欲界 欲望(色欲・貪欲・財欲)にとらわれた物質的な世界。
六欲天と人間の世界。
六道
六欲天と人間の住む欲界は、さらに6道に分けられています。
生前の行いにより、これの何処に輪廻するが決められます。
大乗仏教では、死後の世界だけでなく、現世の人間の心の有り様をも表しています。
天上道 六欲天が住む、苦しみがほとんど無く、楽しみの多い世界。
ただし、天人にも5衰があり、煩悩から解放されてはいない。
人間は、ここには輪廻しない。?
人間道 人間が住む、苦しみが多いが、楽しみも有る世界。
ただし、仏になることで、救われることもできる。
修羅道 修羅が住む、苦しみばかりで、楽しみの無い世界。
ただし、救われたいと思う心は有る。
畜生道 獣や虫が住む、本能ばかりで生きている世界。
よって、自力では仏の教えを得る事ができない。
餓鬼道 餓鬼が住む、飲むことも食べることも出来ない世界。
地獄道 罪を償わせるための世界。
輪廻
生まれ変わること。
人間は、六道からは抜けられず、いつも苦しまなければなりません。
死後は、閻魔の捌きにより、極楽に往生するか、六道のどれかに輪廻されられます。
解脱
六道の輪廻から逃れること。
ただし、解脱しただけでは行き先がないので、必ず往生しなければなりません。
往生
解脱し、仏の国(浄土)に生まれること(蓮華化生)。
浄土宗では、阿弥陀如来の18番目の本願により、
「南無阿弥陀仏」と唱えることにより、直ちに、極楽浄土に往生できるとされています。
これを「専修念仏 せんじゅねんぶつ」と言います。
ただし、如来では無く、菩薩として、生まれます。
成仏
仏(如来)になること。
浄土宗では、極楽浄土に往生した菩薩は、7×7=49日間修行すれば、仏になれます。
この修行を、現世から応援するのが中陰法要であり、7日毎に行います。
これは、7日毎に、閻魔大王の裁判がひらかれるためです。
49日目(なななぬか)には、めでたく成仏しますので、忌明け法要を行います。
南無
心から信ずると言う意味です。
帰命 帰依 も、同じ意味です。
波羅蜜多
菩薩が行うべき、基本的な実践徳目(行)。
龍樹は、6つの波羅蜜を下記のように解説している。
布施・持戒 ――― 利他
忍辱・精進 ――― 自利
禅定・智慧 ――― 解脱
仏説 仏が説いた。 真言宗のみ仏説が付く。
摩訶 偉大な。
般若 悟りの「智慧」を得るために。
波羅蜜多 菩薩が行うべき基本的な実践徳目の。
心 心髄を示した
経 お経
仏説摩訶般若波羅蜜多心経
玄奘三蔵が漢訳した600巻に及ぶ「大般若波羅蜜多経」の心髄、及び
鳩摩羅什が漢訳した30巻に及ぶ「摩訶般若波羅蜜多経」の心髄に、
「陀羅尼集経」に有る陀羅尼(密教的呪文)を末尾に付け加え、
266文字に集約した、「色即是空 空即是色」で有名な経。
重視 真言宗 天台宗
普通 浄土宗
否定 日蓮宗 法華経だけで良いとしているので、原則として唱えない。
否定 浄土真宗 密教的呪文が入っているため、けっして唱えない。
浄土三部経
浄土宗諸派がよりどころとしている、三経典の総称。
上巻 阿弥陀仏の成り立ち 四十八の誓願 極楽浄土の様子
下巻 往生の仕方 成仏の仕方
13の観法 往生の9品
極楽浄土の荘厳さ 極楽往生の勧め 阿弥陀経を信ずることの勧め
色
存在するということ。
空
全く理解できませんので、下記を参考に。
空の理論の大成は、龍樹の『中論』などの著作によって果たされた。
龍樹は、存在という現象も含めて、
あらゆる現象はそれぞれの関係性の上に成り立っている事を論証している。
龍樹は説一切有部に対する反論というスタンスを通して、より深く一般化して説き、
関係性に相互矛盾や相互否定も含みながらも、
相互に依存しあっている事を明らかにした。
これを空もしくは「空性」と呼んでいる。
さらに、関係性によって現象が現れているのであるから、
それ自身で存在するという「ユニークな実体」(=自性)はない事を明かしている。
(最高の仏である如来だけがしかし、
「自性輪身」(三輪身の一つ)と呼ばれ、自性であるとされている)。
これによって、
縁起によって全ての存在は無自性であり、
それによって空であると論証しているのである。
龍樹の空はこれから「無自性空」とも呼ばれる。
顕教と密教
密教は真言宗と天台宗 顕教はその他の宗派です。
ただし、天台宗は、顕教の考えも持っています。
仏教は、インドで、バラモン教と土着信仰を元に発生しました。
この原始仏教に、他力本願の考えを追加したものが大乗仏教であり、
日本の仏教は全てこれであり、顕教とも言われます。
この大乗仏教に、ヒンズー教の教えを追加したものが密教です。
言葉では表せないと言うか、表す言葉が無いというか、
師と弟子の間で密かに伝える部分も有るため、密教と呼ばれます。
なお、ヒンズー教は、バラモン教に土着信仰が加わって出来たものです。
したがって、バラモン教 仏教 ヒンズー教は、親戚の宗教です。
神様仏様は、ほとんど共通しています。
宗派
日本に伝わった仏教は大乗仏教ですが、これには4種類有ります。
インド仏教としては数字の順に出来ましたが、日本の仏教は並び順に出来ています。
A 中期(唯識派) 法相宗
B 後期(密教派) 天台宗 真言宗
@ 初期(中観派) 天台宗 浄土宗 浄土真宗 日蓮宗
C 後期(禅系) 臨済宗 曹洞宗 黄檗宗
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仏について
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仏(ほとけ)=仏陀(ぶっだ)
狭い意味では、「如来」のこと。
広い意味では、「菩薩」「明王」「天」「その他の神々」も含む。
釈迦は、ガンジス川の砂の数程、仏(如来)がいると言った。
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仏像(ぶつぞう)
仏の姿を現した像。
釈迦は、仏像を禁じたので、入滅後500年間は仏像が無かった。
最初の仏像は、ガンダーラ仏およびマトゥラー仏であり、1世紀頃のことである。
如来(にょらい)
修行し、その結果悟りを開き成仏した菩薩。
ひとつの仏国土(三千大千世界)を運営する。
菩薩(ぼさつ)
如来を目指し、仏国土で修行中の往生した人。
明王(みょうおう)
仏を信じない者を、力ずくでも信じさせる役目を持つ仏の使い。
天と共に、仏敵と戦う。
天(てん)
明王の指示のもと、仏敵と戦う役目の者。
元は仏敵だったが、仏教に帰依した者も多い。
その他
開祖 中祖 等、功績のあった僧を像にすることもある。
仏教に帰依する前の、夜叉 修羅 等を像にすることもある。
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三身仏(さんじんぶつ)
大乗仏教において、仏を出自により3つに分ける場合の分け方であり、
多くの分け方があるが、次のように分ける事が多い。
法身仏 報身仏 応身仏。
二身仏 四身仏という分け方もある。
法身仏(ほっしんぶつ)
最初から仏であり、未来も永久に仏であるもの。仏性。真理。
摩訶毘盧舎那如来(大日如来)のみ。
報身仏(ほうじんぶつ)
悟りをひらいて仏になり、未来も永久に仏であるもの。
釈迦如来 阿弥陀如来 薬師如来 その他の如来
応身仏(おうじんぶつ)
悟りをひらいて仏になり、人の世に現われている姿。
釈迦如来のみ。
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摩訶毘盧舎那如来(まかびるしゃなにょらい)
仏教における唯一の法身仏である。密教にのみ有り、顕教には無い。
真言宗では大日如来と言う。
顕教での毘盧舎那如来は、他の如来と同様の報身仏である。
釈迦如来(しゃかにょらい)
大乗仏教においては、次の2つの顔を持つ。
1 応身仏としての、この世での、成道から入滅までの間の釈迦。
2 報身仏としての、我々の住む娑婆という仏国土(三千大千世界)の主。
弥勒菩薩(みろくぼさつ)
釈迦の入滅から56億7千万年後に、如来となって人々の前に現われ、
人々を救う事が約束されている菩薩。
現在は「兜率天」で修行している。
地蔵菩薩(じぞうぼさつ)
釈迦の入滅から弥勒如来が現われるまでの56億7千万年間は、無仏となる。
そのため、如来に変わって人々を救うのが地蔵菩薩である。
如来になるための修行を終えているが、この目的のため如来にならなかったとされる。
観音菩薩(かんのんぼさつ)
観音菩薩は、6観音33観音等、多くの観音に変化するので、
変化していない姿を聖観音と言う。
また、男なのか女なのか、はっきりしない。
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仏典について
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仏典(ぶってん)
仏典は、次の3種類に分けられる。
経 釈迦の教えを伝えるため、釈迦の言葉を記録したもの。
律 仏教徒としての規範をまとめたもの。
論 教や律を、研究し解釈をまとめたもの。
ただし、釈迦自身が書いたものでは無く、
入滅200年後に開かれた第3回結集において、初めての仏典が作られた。
仏典結集(ぶってんけつじゅう)
釈迦は、文書を残さなかったので、釈迦の教えをまとめる必要があった。
そのため、多くの指導者が集まり話し合いを持った。
この話し合いを仏典結集と言い、4回行われた。
第1回 入滅4ケ月後
第2回 入滅100年後 2派に根本分裂する。
第3回 入滅200年後 最初の仏典が作られる。
第4回 入滅600年後 3蔵の解釈論が編集された。
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宗派の仏典
根本分裂 部派分裂 大乗分裂 ヒンズー教との融合等により、多くの宗派が生まれた。
これにより、仏典も宗派独自のものが生まれた。
また、近隣諸国への伝播によっても、多くの宗派が生まれ、多くの仏典が生まれた。
ただ、大きく分けると、次の3つに分類できる
原始仏典(小乗仏典)
仏教誕生から大乗仏教が出現するまでの500年間に編集された、上座部の仏典。
釈迦の教えそのものが仏典になっている。
阿含経と言い、パーリ語のものと、それを翻訳した漢語のものがある。
日本の阿含経は、この部類に入るとも、
大乗らしいところもあるため入らないとも言われている。
大乗仏典
釈迦の教えである自力による解脱(成仏)から、仏の力に依る他力本願往生に変わった
のであるから、仏典も当然新しく生まれた。
新しい仏典をまとめたのが龍樹である。
中国で主に広がったのがこれであり、日本もこれである。
金剛乗仏典(真言乗仏典)
仏教とヒンズー教が、お互いに影響(包含)し合う中で、
仏教はヒンズー教の考えと神を取り込み、密教となった。
当然であるが、仏典も新しく生まれた。
日本には、天台宗(密教顕教半々)と真言宗(密教)がある。
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経典の伝播
原典 釈迦の故郷であるマガダ地方のマガダ語的なものと考えられるが、
残っていない。
パーリ語経典 上座部仏教の経典。
マガダ語の原典から翻訳されたと考えられる。
スリランカに、完全なものが現存する。
サンスクリット 語経典 大乗仏教の経典。
漢語経典 大乗仏教を翻訳したもの。
中国 韓国を経て、日本に伝わった。
チベット語経典 サンスクリット語経典からの翻訳が国家事業として行われ、
824年に完成する。(仏説部カンギュル)
1410年以降、明からチベットに仏教が伝わり
龍樹らの大乗思想(論疏部テンギュル)がもたらされた。
つまり、上座部 大乗 密教 全てがある。
龍樹(りゅうじゅ ナーガールジュナ)
西暦150〜250年頃の、インドの僧。
1世紀に入ると、在家信者の間から大乗仏教がおこるが、
この大乗仏教を、理論的にまとめたため、北伝仏教各宗派の祖師とされる。
つまり、日本では、釈迦の教えでは無く龍樹の教えをきいていることになる。
鳩摩羅什(くまらじゅう クマーラジーヴァ)
西暦350〜410年頃の、インドの僧。
大乗仏教中観派の論書を研究する。
サンスクリット経典の漢訳(旧訳)を行う。
なお、これ以前の訳は、古訳と呼ばれる。
玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)
西暦602〜664年の、唐の僧。西遊記の三蔵法師のモデル。
サンスクリット経典の漢訳(新訳)を行う。
法相宗の宗祖とされている。
菩提達磨(ぼだいだるま ボーディダルマ)
5世紀後半〜6世紀前半の、インドの僧であり、中国で活躍する。
禅宗の開祖。