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東北地方太平洋沖地震
平成23年3月11日に起きた「東北地方太平洋沖地震」は、未曾有の規模でした。
この地震およびそれによる被害の概要をまとめてみました。
1 Mw9.0―――チリ地震M9.5 アラスカ地震M9.2 スマトラ地震M9.2
に継ぐ、カムチャッカ地震M9.0と同じ規模。
2 広範囲―――――震源域は、三陸沖130km深さ24kmを震央とし、
南北400km東西200kmの範囲で、3箇所で連続して発生した。
3 震度7―――――距離が近いので大きな震度となり、
3箇所で連続して発生したので、6分間も続いた。
4 大津波―――――30分後には14mの巨大津波が押し寄せ、
三陸特有の地形も災いし、2万人を超える死者不明者が出た。
岩手県の田老町では、10mの防潮堤は越えた。
岩手県の晋代村は、15mの防潮堤に守られた。
5 原発破壊――――地震に依る停電と、津波に依るオイルタンク喪失により、
原子力発電所は、原子炉の冷却が出来なくなった。
明治三陸地震では大船渡市綾里に22m(湾奥では38m)
昭和三陸地震では綾里に22m(湾奥では29m)
チリ地震津波でも6m
今回は綾里に14m(湾奥では23m調査中)
第一発電所にも14mの津波が来たが、
防潮堤は7m(?)しかなかった。
発電所建屋は10〜13mの高台にあったが、浸水した。
6 皆無の生活―――地震による倒壊とは異なり、全ての建物が使用不能になった。
避難した人は、水も、食料も、着るものも、毛布も、暖房も、
何も無い避難生活が始まった。
7 燃料不足――――製油所の停止に加え買いだめが起こったため、燃料不足となった。
そのため、トラックが走れなくなった。
鉄道も港湾も破壊されており、援助物資の輸送が出来なくなった。
8 計画停電――――東京電力 東北電力は、電力不足に陥り、
計画停電を行わざるを得なくなった。
電車は、本数を減らしたり、運行を中止したりした。
病院では、人命に関わる大問題である。
9 行政も破壊―――災害時には先陣を切らなければならない市町村役場も
さらには役場職員も被害を受けた。
人材が不足し、インフラも破壊され、お手上げ状態だった。
地盤が75cm沈下し、水が引かなかった。
家の残骸 車 船 列車 飛行機までもが散乱した。
10 県も混乱――――青森から福島までの太平洋に面した都市は壊滅したので、
その被災面積の広さに右往左往した。
死者行方不明者が2万人を超え、避難者が40万人を超えたので、
被害状況の確認さえ出来ない状態だった。
11 国も混乱――――地震災害 津波災害に加え、
原発の冷却問題と放射能漏れ問題も発生した。
原子炉の冷却のため、消防署 自衛隊 アメリカ軍 さらには
民間人(生コンポンプ車で放水するため)まで出動した。
20km以内は避難命令、30km以内は自宅待機とされた。
放射能汚染により、4県の野菜と牛乳が出荷停止となった。
12 報道も混乱―――原発と放射能についてばかり報道しているようにみえる。
年寄りについての報道はあるが、赤ちゃんについての報道は無い。
防災の専門家を集めた番組で、今は素人が行くべきでない等と
言っていたが、病院や老人ホームを誰が手伝えるのか。
避難も出来ない人を、どうすればよいと言うのか。
13 被災者も混乱――津波の場合、お隣さんもお向かいさんも皆被災者になってしまう。
しかも、物資は家ごと皆流されてしまっているので、
緊急の食料さえ無い。
政府も東京電力も、想定外と言っているように聞こえますが、
想定外だったから、対策が足りなかったのであって、
つまり、前政権自民党(民主党も元は自民党)の想定が
低すぎていたのだと思います。
岩手県の晋代村は、15mの防潮堤に守られましたが、
岩手県の田老町では、10mの防潮堤は越えられてしまいました。
明治三陸地震および昭和三陸地震では、22mの津波が押し寄せ、
湾奥では38mまで増幅されています。
それなのに、福島第一電子力発電所の防潮堤の高さが7m(未確認)というのは、
どう考えても理解できません。